森は生きている
昔、雪深い国に、けな気で優しい心をもった働き者の娘がいました。
娘は幼い頃に両親を失い叔母さんや義姉と一緒に暮らしていましたが、二人は強欲で娘につらくあたっていました。
もう少しで新年を迎えるというある日、その国では大変なことが起きてしまいました。
わがままな女王が
「新年までにマツユキソウを持ってきた者には褒美としてかごいっぱいの金貨をあげる」
と言うおふれを出したのでした。
「マツユキソウ」とは北国の春を告げる花で4月にしか咲きません。
それを12月に手に入れたいというのです。
女王も幼い頃に両親を失ったのですが、
娘とは逆にお城で甘やかされて育てられたのでわがまま者に育ってしまったのでした。
おふれを聞いた叔母と義姉は娘にマツユキソウを探し、持ってくるよう言いつけたのです。
ひどい吹雪の中、森をさまよう娘は今にも凍えてしまいそうです。
そんな時、森の奥に暖かそうな炎を見つけました。
そこには不思議な人達がたき火を囲んでいました。
娘の話を聞いた不思議な人達は・・・